Red, White, or Blue 「懲りない悪党」第41話 (Teleplay By:Paul Gross)

 このエピの見所はずばり 「フレイザーと初めて出会った子犬のディーフ」でしょう。(笑) ディーフィー超ラブリーです。
では、ディーフは置いといて・・フレイザーとレイがheart to heart の会話をし 真の友情を築き上げます。
また、メグ・サッチャーとのその後も気になるところ・・・笑いあり、ロマンスあり、友情あり、スリルあり・・・& 歴史の勉強もできるナイスなエピです。

Episode Guide

 騎馬警官の列車が乗っとられた事件で一躍ヒーローになったフレイザー。それに対しレイには全然、脚光があたらない。それどころかフレイザーの活躍ぶりをインタビューされる始末。とうとう頭に来たレイはフレイザーと口を聞かないことにする。そんな中、犯人ボルトの裁判が開かれた。当日、証言台に立つフレイザーは何故か遅刻。実はレイとともに縛り上げられ爆弾で繋がれてしまったからだ。ボルト兄弟は法廷を乗っ取り、FBIに脱出用のヘリコプターを要求するしかし屋上に彼らの姿はない。彼らの目的は裁判所に保管されていた無記名の債券を盗むことで彼らは下水道から逃げようとしていた。なんとか爆弾を解除した二人はディーフの助けも借りて犯人をしとめる。   → クリックすると大きくなります

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このエピの題名"Red,White, or Blue"はフレイザーとレイが繋がれている爆弾のコードの色から来たようです。またアメリカの国旗とも関係があります。
 アメリカ国旗についてのページ では 1872年大陸会議 赤・白・青の定義にも触れられています。
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Character Sketch

ディーフェンベーカー picture
*熊の罠に落ちたのがフレイザーとの出会いだった    子犬のディーフ義理堅いです。
フレイザーの独り言におびえる? フレイザーがyellingしているのにどう対処していいかとまどう
*フレイザー救助のために爆走  ク-パー氏をひっぱりまくり。うちの犬の散歩を見ているよう。
*ボルトのカバンを奪取し見事活躍  
ディーフ press houndになってインタビューを受けます。

☆フレイザーpicture
*赤の制服はかゆいし好きで着ているわけではない ポールがほんとにかゆいと思っていたりして?
*親切なことをするときいつもレイの声が頭の中に聞こえる      わかっているけどやめられない状態のフレイザーです。
紅茶はレモンティー
           

☆レイ picture
冷蔵庫にはチーズとピクルスしか入っていません   さすがイタリア系アメリカ人チーズもイタリアチーズ。原語ではAsiago cheese
*フレイザーに対して嫉妬なのか怒りなのかなんだかわからない苛立ちを持ってる 
家にいるときのスーツ姿がcool!
*さりげなくフレイザーに嫌味(笑)    
calm downした後もフレイザーのことを暗に「自己中野郎だ」とか言っている。(^o^)  

Quote

 気になるセリフの引用です。     (今回は8つ)

Woman: They want your inner soul. So
let's think Roseanne. Show them your scars.
Fraser: With respect, 'mam, I thought it was our unstated protocol to avoid the appearance of currying favor with the media.
Woman: We sold out to Disney, Fraser.

このロザンヌ ですが Roseanne Barr という女優さんです。この女優さん当時、自分のトーク番組を持っていてその中で自分が美容整形手術をしたことなど洗いざらい喋ってしまったそうです。
よってフレイザーにも自分の経験や思っていることなどを洗いざらい話してって!言ったんです。

だからって・・・・・電車の上のサッチャー警部とのコンタクトまで話そうとしなくてもいいのに・・・(汗)

 currying favor with → 媚びへつらう


カナダ領事館、広報部の女性とフレイザーの会話

W  あなたの内面を知りたいのよ。もう少し人間臭さをさらけ出してみて。」
直訳: W 「あなたの内面を知りたいのよ。 そうロザンヌを考えてみて。自分をさらけ出すのよ。」

F   「
お言葉ですがマスコミに媚を売るための取材は受けないというのが暗黙の了解だと思っていました。」
W  「イメージアップが必要なのよ。この機会を利用しない手はないわ。」

直訳:W「私たちはディズニーにももう売ったのよ。」

ディズニーにRCMPが商品かなんかのキャラクターイメージとして売ったのは本当の話です。もうディズニーに売って十分マスコミに媚びへつらっているんだからこれくらい・・・いいじゃない・・・って感じでしょうか?

フレイザーが自分の内面をさらけ出さない・・・・というのが最初からテーマになっているようです。このあとレイからも「おまえは自分の感情を押し殺している・・・・人間じゃない・・・・」なんて言われていますし。



Fraser: You're really not talking.
Ray: That's right, Fraser. I'm really not talking.
Fraser: Just so I can be really clear in my own mind, Ray, other than telling
me you're not talking, you're in fact, not talking?
Ray: That's about the size of it

「tell しないんじゃなくて talk しないんだね。」 と言っています。
tell は 情報などを伝えるという意味で talkは ある程度相互信頼と親しみを前提として相手に話すというこです。(類語辞典)

よってレイ、はトークするのがイヤなんですよね〜


アパートの前 ムクれるレイとフレイザの会話

F  「喋らないの?」
R  「ああ。」
F  「喋らないつもり?」
R  「ああ、絶対に喋らないつもりだ。」
F  「そこのところはっきりさせておきたいんだ。ただ喋らないんじゃなくて本当にしゃべらないつもりだっていうんだね。」
R  「まーそんなところだな。」

レイがフレイザーに投げつけた新聞は「Chicago Gardelian」マッケンジーさん(素敵なおとこ)の新聞社でした。
レイとフレイザー友情の危機!? もうハラハラしてしまいましたわ。(T_T)



Fraser:but I seem . . . I seem to be powerless to
prevent that. I don't know. I don't know if it is some sort of flaw in my
upbringing, or some genetic abnormality, or perhaps it's some aberrant property
in the Tuktoyaktuk water system.


フレイザーはアパート レイは自分の家 

F  「でも自分が抑えられないんだ。幼少期の躾が原因でこうなったのかも。
あるいは遺伝的な欠陥かそれともツクトヤツクト地方特有の性格かも・・・。」

フレイザー、親切なことを欠陥だと思っています(笑)
一生懸命原因を見つけようとしています。
ポール自身がなんでフレイザーってそんなにいい人なのか?
と考えたことがあるからかもしれませんね(笑)




Fraser:I've never hated you, Ray. I've envied
you, maybe.
Ray: Envied me?
Fraser : I'm not proud of it but you have a kind of freedom I wish I had. A sort of existential honesty.
Ray: Are you saying I'm honest?
Fraser: In your heart, yes

envyはねたみの感覚の羨ましいという意味で主として富とか才能に対して絶対に自分では到達できないものと自覚している場合に使います。人に反感を持ったりねたんだりしないフレイザーが珍しくこんな言葉を使ったので驚きました。

フレイザーの告白で気分をよくしたのでしょうか?青の定義のひらめきはさえていましたね、レイ!



心拍数を下げながら フレイザーの告白

F    「僕は嫌ってない。君が羨ましいよ。」
R    「羨ましい?。」
F    「僕には無いものを持っている。ある種の自由さだ。正直さというか。」
R    「正直だって?」
F    「心の中は正直さ。」

このフレイザーの告白にはジーンと来てしまいました。口には出さなかったけれどずっとレイが好きでそして羨ましいと思っていたなんて。
(しかし・・・ちょっとツッコミを入れたくなるのは・・フレイザー?君は正直ではないってことですか?  ハメをはずせないヒトなんですね。)
レイもいつもスーパーマンのフレイザーがそんなことを言ったので驚いていましたね。


それにしても二人で心拍数を下げるシーンはおかしすぎ!あーたら、爆弾で命が危ないっていうのほんとにわかってんの〜?と言いたくなるほど悲壮感と危機感のない楽しい二人でした。小山さんと阿藤さんの吹き替えも笑えました。

Fraser : Ask Vecchio about green cheese?
Thatcher : Spelling mistake. Ask Vecchio about Gambello case

直訳 フレイザー 「レイにグリーンチーズのことについて聞け?」
サッチャー「スペルミス。 ベッキオにガンベッロ事件について聞いて
。」!

グリーンチーズ = Green Cheese
ガベッロ事件 = Gambello case なんか綴りが似てますね。でもかなりのスペルミスだわ・・・・・
ポールのエピは前回もそうですが チーズの話題がよく出ますね。彼、好きなのかなぁ?



サッチャーとフレイザーの手旗信号

R 「何て言ってんだ?」
F  「僕がバカだってさ。」
R 「話が合いそうだ」

フレイザー、どうして「バカ」のところだけレイに伝えるのよ(^。^)
レイのリアクションもおかしい。



F 「レイにチーズの話を聞け?」
T 「スペルミス。ベッキオにガンベッロ事件の話を聞いて」




Fraser:Oh, dear.
Ray: What?
Fraser: Well, it would appear, yep, I'm on fire, Ray.
Ray: Oh, well. At least the whole day isn't a total write off.

My解釈: R 「少なくとも、一日がムダにならなかったよ。」

レイはフレイザーに火がついていい気味だ・・・と思っているようなセリフです。よってそれがレイにいいことであって「一日がムダではなかった」と言っているみたいです。レイ・・・リベンジできてちょっと満足?(笑)


エレベータ を降りていくとき袖に火がついたフレイザー

F 「まずい・・・」
R 「なんだ?」
F 「実は 手に火がついたらしい・・・」
R 「まあな。そのうちいいこともあるだろうよ。」



このシーン、本当にフレイザーの腕に火がついているんですよね〜。
フレイザーってこういうところ落ち着いているんです。
レイも自分に火がついたなら大騒ぎするのに、フレイザーだとクールだわ(笑)
撮影時、赤の制服を6着もダメにしたと言っていました。(CBCインタビューより)


Fraser: For God's sake, what are you doing? That's not ours.
Ray: I know, it's theirs.
Fraser: It's not theirs. That money belongs to someone else.
Ray: Oh, did they say bonds? I thought they said bombs.

Bondsと Bombsを聞き間違えたレイでした。

爆弾の入ったカバンを犯人に投げるレイ

F  「レイ何をするんだ?他人のものを!」
R  「あいつらのものだろ。」
F  「彼らのものではない。あの債券は他人のだ。」
R  「債券のカバン?爆弾かと思ったよ。」


フレイザーがレイに必死の形相で話します。こうやって感情を顔に出すのも珍しい。 このへんの二人の会話はほんといいですよね〜。お互いを認めあって絆を深める場面です。・・・しかし銃撃戦中に話す内容じゃないんじゃないの?(笑)

Ray: God, I love this city. You know sometimes you have to be a conduit and let the world come to you, you know what I'm saying?

そういえばシカゴの休日のラストでフレイザーが同じようなことをフレイザーが言っていました。


結局彼らは考えることは同じなのね〜♪

事件が解決して屋上にいる フレイザーとレイ

R  「いい街だ。たまには俺たちも起爆装置になって、世間の注目を浴びねえとな。」

R 「おまえはそのままでいいんだよ、そうすれば世界が開ける。」 

これは"俺たちは"というよりもレイからフレイザーへのメッセージのようですね。(Momさんのご意見を参考にさせていただきました

Trivia

ガイガーって誰?,
アパートにおける会話で フレイザーがガイガーに足を刺されたって言っていましたね。これはシーズン1「Manhunt 17年目の復讐」の事件のことを言っています。

サッチャーの帽子
ラスト、サッチャーは帽子を被っていますがステットソン帽子ではありません。RCMPの場合役職が上のヒトはこの帽子なんです。

領事館一室に置いてある旗
フレイザーが領事館で広報担当の女性と話すシーン。サッチャーの後ろに旗が見えますね。これカナダの州の旗なんです。

nosy parker
FBIに向かってボルトが「よけいなお世話だ。」って言っています。このセリフが nosy parker。 シーズン3、これが出てくるエピがあります。
なんとフレイザーが言ってしまうようです。

Dr. Prescott とアメリカ独立戦争
犯人ランドルが自分を愛国者リビアに例え演説していましたね。そこでフレイザーが「ちょっと待った!」をかけました。コンコードに着いたのはリビアではなくてDr.プレスコットだと。これは事実です。Momさんに調べていただきました。詳しくは こちら  (Momさんいつも有難うございます。m(__)m)

ガラガラヘビ
ガラガラヘビに噛まれたら代謝を下げる・・・ ポール・グロスは実際にガラガラヘビに噛まれたことがあるそうです。
ポール曰く「僕はアウトドアが好きなんだ。でもね野生動物はちょっと・・・・ガラガラヘビに噛まれたこともあるし、丸太につまずいたと思ったら実は寝ているクマだった・・・ってことがあったよ。」とのこと。

屋上のシーンの後ろのピカプカしたビル        
どうでもいいんですが、ラストの屋上のシーン、フレイザーの後ろに金色のピカピカしたビルが見えますね。あれロイヤルバンクプラザという建物で、表面は本物の金が2500オンスも使われています。いわゆるトロントのウォール街にあたります。昼間はとにかく光りまくってまぶしいくらいでした。
                                                                                  おまけの英語
      

勝手な感想

いやあ、この脚本は最高でしたね〜。 ポールのライターとしての才能を感じました。
もうところどころの会話が面白すぎ! 
ポールが脚本を書いたのでフレイザーの気持ちがよく顔に出ていたような気がします。今までのエピの中で一番表情が豊かなエピじゃないでしょうか。
(また彼ってぴったり誰かとくっつくのが好きですね。前回はメグで今回はレイとくっついてエレベータを降りていったり、爆弾で繋がれたり。)

レイがフレイザーの行動について述べるのですが、これってポールが日頃フレイザーに抱いているイメージのような気もします。彼、ストレス感じていたみたいですから。

フレイザーとレイのお互いの家での会話が面白かったですね〜結局、二人以心伝心でつながっていて考えることは同じなのです。

レイ、最初はフレイザーがヒーローになったことに腹を立てていたのですが、段々そのイライラの原因が他にもあることに気が付きます。フレイザーもそれを知っていて弁解を始めますね。 
ここ、珍しくフレイザーが叫んだような声を出していました(思わずディーフ ビビってます)。
あんなに熱心に心のうちを語ったフレイザーって初めてではないかしら・・・・彼も彼なりに悩んでいたんですね。

でもあんなにレイにひどいことを言われてもレイをドアの向こうに見つけると満面の笑みをたたえてしまうんです・・・結局レイが大好きでわかってもらいたいんです。

フレイザーの告白を聞いたり、彼に火がついたり、言いたいことを言ったおかげでレイもすっきりしたのでしょうか?最後は二人、わだかまりを超えて真の友情になりました。屋上のシーンはほんと素敵でした〜。
このエピはレイとの友情の集大成って感じでしょうか。

一方、フレイザー&サッチャーの恋愛についてはラスト、手旗信号という手段を使って二人の世界に入っていました。
Red suits you フレイザーの最高の愛情表現ですね。メグの幸せそうな顔がよかったです。
サッチャーに自分から好意を表現するなんて、フレイザーも自分のカラを破って成長しましたね〜。
レイと触れ合ってフレイザーも本音を言う自由さを見習いちょっとずつ変わってきたみたいです。

そして忘れてはならないのがディーフの大活躍!犯人をしとめたあとのしてやったりのディーフの笑顔?
がかわいかったです。

それにしてもFBIのフォードさん、最後まで鼻血を出していました。体をはって笑いをとってくれる彼・・・いいなぁ。


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