Vault  「知恵に勝る武器はなし」第25話 (writer:Jeff King Paul Haggis Kathy Slevin Director:Steve DiMarco )
 このエピの見所はずばり 「泥棒のジャンクフードをあさるディーフ」でしょう。(笑) ディーフィー、season2でも食欲旺盛です。
では、ディーフは置いといて・・・このエピは金庫に閉じ込められたフレイザー&レイの真剣なのかふざけているのかよくわからない会話(笑)と
フランチェスカの大胆な活躍が見所です。フランチェスカの行動にふりまわされる人質たちもおかしい〜(^.^)

Episode Guide

銃撃によって肩を負傷したレイは愛車を運転することもできない。よって妹のフランチェスカに運転させ銀行にお金を引き出しに行く。しかし殉職者とされたレイはお金を引き出すこともできず責任者と言い争いになる。そんなとき閉店間際の銀行に掃除の業者が入ってくる。その業者は銀行強盗でありいきなり発砲しだした。突然の発砲に思わずレイとフレイザーは銀行の金庫に入ってしまい閉じ込められてしまう。
そして心配したフランチェスカが銀行に入ってきて彼女も人質になる。人質を助け、金庫を守り、犯人を逮捕し、脱出するためにはどうするか? フレイザーはドリルで金庫をこじ開け爆破しようとする犯人に対して持ち前の知性で策を練る。その策とは金庫を水で一杯にして開いたとたん水が氾濫して撹乱させるというものだった。途中ハプニングもあったがなんとか成功し無事事件は解決した。

事件は解決したが、フレイザーには個人的問題が残っていた。新しい上司に気に入られず解雇を言い渡されてしまったのである。

このエピの題名Vaultは「銀行の金庫」という意味です。まさに金庫の中の緊迫したシーンが見ものなんですが何故か漫才のよう(^o^)・・・

Character Sketch
ディーフェンベーカー
*レイの車の後部座席でフレイザーに書類を見せてもらっています フレイザー、ディーフも会話の仲間に入れてあげているのね。
*ディーフ、顔がでかい    後部座席に座っているディーフ、フレイザーに比べると頭が大きい。口も裂けている。
ディーフ、ジャンクフードにまたまたハマっています

☆フレイザー
ニュー上司に好かれていない。現在停職中     
ブラウンのユニフォームがお気に入り      制服にこんなにこだわっているとは・・・・結構彼も粘着気質?
*金庫の歴史にやたら詳しい     
閉じ込められているにもかかわらず「いい金庫だな〜」と感心する変な余裕がフレイザーらしい(笑)
*計算の速さと正確さはとにかくスゴイッ!
*ギリシャ語にも精通している
*制服を着ている限り警官としての義務と誇りを持つ 
*何故か音叉を持っている   
なんでそんなもん持っているんですかぁ?相変わらず不思議な人だわぁ・・・カナダ版ドラえもんのよう・・


☆レイ
殉職者として手続きされ、住民登録等も抹消されてしまった
*シカゴブルズのシーズンチケットに命をかけている
*フレイザーと一緒にいて死にかけた回数をカウントしていた。現在24回らしい
*密かにフレイザーに過ちを認めさせたがっている。友達だけどライバル意識もある?
*「もうダメだ〜俺は死んでいくんだぁー」と諦めている割には金庫からシカゴブルズのチケット代$242をとっている(笑)
レイーあーた刑事だろーに・・・悲観的な考えをしているわりにはどーでもいいギリシャ語考えたり、突然寝っちゃったりするのよね。

☆フランチェスカ
*人質を安心させようとしてかえって不安にさせていている
*何事も楽天的に考える?
さすが、レイの妹、登場するのにも派手だわー。でも同じ騒がしいのにもお兄さんは悲観的に考えるけれど彼女は楽天的ですよね。
文字通り体をはって犯人に抵抗しようとするその行動力はすごかった!全て裏目に出たけれどその努力は大拍手です。
どういうわけか人質をシキってしまうのにも笑ったなー。それにしても赤のビスチェ・・・フレイザーがいなくて良かった〜(*_*)


☆イレーン・ヒューイ刑事・ガルディーノ刑事
*イレーン、病み上がりのレイに手厳しい歓迎(笑) 請求書とお葬式の案内を畳み掛けるように渡します
*ヒューイ刑事、スーツが決まっている! 
かっこいいっすねー それにしても暇そうっすねー友人ちゃかしているなんて
*ガルディーノ刑事、ヒゲをはやしている 
多分強盗の一人とあまりにも顔が似ているので区別するためかな?

Quote

 気になるシーンの引用です。     (4つ)

Fraser: Ray, there is an inherent danger in all police work.
Ray: No, Fraser. What there is, is an inherent danger working with you.
Fraser: Well, you didn't have to do this. You could've thrown your hands in the air like a baby.  ← このbaby は最高に un-fraser-likeらしい
Ray: That is what I was trying to do. I am not a baby!
Fraser: No, Ray. I know you. You were attempting to protect this institution...      Ray: No, I wasn't!
Fraser: ...and its employees with your life.
Ray: You see? That's where you get confused. I am not like you, Fraser. (略)
Fraser: You don't really mean that.
Ray: Oh yes, I do. Fraser: No, you don't
Ray: Yes, I do. Fraser: I beg to differ.
Ray: In my heart and soul...
I beg to とまで言っちゃって(爆)
ソレに対してレイが heart and soul... と反論

金庫に閉じ込められた直後の二人の会話

フレイザー 「警官の仕事に危険は付き物だろ?」 
レイ「いや違うおまえとの仕事に危険が付き物なんだよ。」
レイ、鋭いわ!フレイザーに付き合っていたらいくつ命があっても足りない(゚-゚)

フレイザー 「飛び込んだのは君だぞ。両手を上げていればよかったのに」 
レイ「そのつもりだったがおまえにつられてつい・・・」

犯人の言うとおり両手を挙げて降参のポーズをとっていればよかったのに・・・と言うフレイザーに対してのレイの言い訳がおかしいわー。全然言い訳になってない(笑)

フレイザー 「僕は君って人間を良く知っている。君は命を賭けて・・・・。」
良く知っていないんじゃないの?→フレイザー(^^;)

レイ「そうじゃない。俺はおまえと全然違うんだよフレイザー。」
フレイザー「本気じゃないだろ。隠すことはないさ。わかっているよ、ほんとは・・」


フレイザー一生懸命、レイを警官の鏡だと解釈しようとします。レイにそれを認めて欲しくて必死です(笑) 

二人がモメているところに「ズッドーン」という音。びっくりして二人で目を合わせて茫然とする姿がおかしい(笑)






Ray: They have the drills, they have the explosives and they have my sister. So we've got?
Fraser: Well, there's always Diefenbaker, he's ever alert to an emergency.
訳:フレイザー「ディーフはいつも緊急状態を警告しに行ってくれる」
フレイザーディーフを信頼しています
Fraser:
In fact, I think he will go straight for the nearest available help.

金庫の中でレイがフレイザーに質問するシーン

レイ      「いいか 奴らにはドリルも爆薬も妹まで揃っている。で、こっちには何がある?」         
フレイザー  「ディーフェンベーカーがいる。あいつは頼りになる。」
ここでディーフのカット
頼りにされているはずのディーフィー、泥棒の車にあるジャンクフードをあさってます(笑)     
泥棒に「ばか犬」とか言われているし・・・・(^^;)
フレイザー  「近くで一番頼りになる助けを呼んできてくれるはずだ」 

シカゴの警官や消防士がいるにもかかわらずカナダ領事館まで行きます。彼のことを理解してくれているのはカナディアンだと信じているのかな?


Ray: Admit it, Fraser. You feel unappreciated. Can you do this for me? Can you do this one small thing for me? Can you admit that at least once in your perfect existence you've felt the need to put yourself before your duty? Because if you do that, I can float peacefully to my death.  Fraser: Why, Ray?
Ray: I just will, now humor me.


Fraser: All right. Uh, occasionally, it's only very occasionally... Is this really necessary?
Ray: Fraser, I am drowning on dry land.
原語:レイ「俺は水の無いところで溺れ死にかけているんだぞ!」Fraser: All right, Ray, all right. Occasionally I do feel... what was it?
Ray: Unappreciated.
Fraser: Unappreciated. Occasionally I do feel unappreciated.  
Ray: You do?
Fraser: Occasionally.
Ray: Well, thank you! Good!


水浸しの金庫の中で二人浮いているシーン

レイ      「認めろよ、フレイザー。今度はまずかったて。この俺のために。俺の最後の願いを聞いてくれ。一度で言いから、完全無欠のロボッコップフレイザーも職務遂行を後悔しているってな。そー言ってくれれば心安らかに死ねる。」
フレイザー 「どうしてだい?」
レイ      「どうでもいいから言ってくれ。」

レイはずーっとフレイザーにライバル意識を持っていたのかしら?フレイザーに負けを認めさせたいのがささやかな死ぬ前の願いとは・・・(笑)

フレイザー 「ごくまれに、めったにないけど・・・なーこんなこと必要かい?」
レイ「末期の願いだ。」

NHKさんナイスな訳です。原語も drown と dry がかけてあってナイス!

レイザー 「わかった。ごくまれに、この僕も・・・なんだっけ?」
レイ      「後悔することがある。

フレイザー 「ごくまれに、後悔することがある。」
レイ      「ほんとか?。」          
フレイザー 「ごくまれにね。」
レイ      「ありがとう。」

フレイザー「ごくまれに」を強調しています(笑)結構勝ち気?でもそれを言わせたレイはすごく満足そう。 小山さんの「なんだっけ?」がユーモラスだわー。
それにしても何で二人は靴を脱いでいるのかしら?すぐ行動に入るためには履いておいたほうがいいんじゃないのかなー?




Ray: What would you have said?
Fraser: Well, let's see. I think I would have said that you were a good friend and that you never failed me.
Ray: I didn't, did I?
Fraser: Never. Well, except for that one time.
Ray: What time?
Fraser: You know, Ray to discuss it in a situation like this really would be considered nitpicky.
nitpicky とは重箱の隅をつつくようなこと
水がほぼ天井まで一杯、二人が立って泳いでいるシー

レイ「言い残すことは?

フレイザー「何を言えばいいのかな?   君はいい友だった。決して裏切らなかった。
レイ「そうだろ。」   
← 心から満足したレイの表情がすんごくステキ(^.^)
フレイザー「決して・・・。でも一度例外・・・。」
レイ「そりゃ、いつだ?」
フレイザー「なー今はそんなどうでもいいことを話すとき場合ではないよ・・・。」

フレイザーついつい本音が出てしまいましたね。この一度あった「例外」って何だと思います?カナダのファンの方に聞いてみたら・・フフ・・「恋に落ちたフレイザーのあの事件のことだろう。」っと言っていました。やっぱり・・・。結構根に持っているんだフレイザーってば(^_^;) 



Trivia

金庫って?
金庫は中からも絶対開けられないそうです。非常用のレバーなどないとか。入ったら最後、本当に朝まで開かないらしい。よってこのエピで出てきた金庫は不思議でしたね。あとフレイザーのとった行動なんですが・・・ちょっと疑問があります。銀行強盗の場合、第一に考えるのは人質の命。お金は保険で返ってくるのですから犯人に素直に渡すのがセオリーではないかしら?(銀行でもそう訓練でされているらしい) フレイザーは自分がいるのにもかかわらず犯人を捕まえることが出来ないというのはプライドが許さないからなぁ?(← ちょっと考えすぎ) 彼としては絶対の自信があったのでしょうね。


アメリカVSカナダ
「アメリカの制服を着るのがカナダ流の罰」 と レイが言っていましたね。カナダはアメリカとごっちゃにされたくないのね。


騎馬警官の制服
フレイザーがブラウンの制服は古い、と言っていましたが、それは本当です。またあの赤の制服も記念行事以外着ません。フレイザーのトレードマークのStetsonハットも赤の制服以外は被りません。普段はイエローベルトの帽子、冬は毛皮の帽子を被ります。

銀行強盗の女性
第1シーズン第3話「ちびっこギャング」で株の仲買業者に強盗に入った女性です。あのときもギャング一味をしきっていましたね。
女性はフレイザーに再会して「さんざんな目にあわせやがって〜」と言います。それに対してフレイザーってば素直に「I'm terribly sorry」とか謝っちゃうんですもの〜このーお人よしー。(^。^) 

Q どうして ディーフは階段を逃げるように降りたの?
冒頭のカナダ領事館での会話  フレイザー「個人にかかわる私的な情報は君の範囲に留め置く義務があることは知っているだろ?」
オービッツ「心配ない。彼女は先刻承知だ。」 この後、ディーフとフレイザーが顔を見合わせ、ディーフが足早に階段を降りていきます。なんで??

A オービッツのセリフは原語では「She's already eaten two file clerks for breakfast. 」と比喩になっていたんです。意訳すると 「彼女はすんごく頭に来て 二人の事務員を朝食に食べてしまった。」となります。よってディーフは食べられたら困るよ〜と思って逃げたんです。新しい上司はフレイザーの職務ファイルを見て不機嫌だ・・・ということの例えなんです。

フレイザーの擬音語
金庫での会話 フレイザー「オノマトペアとは物体の出す音声を真似たもので擬音語と呼ばれるものだ。ザーザーとかニャーニャーとかワンワンとか」
ここ原語で聞くとおかしいですよーフレイザーのバウバウって声とカエルの声が聞けます。 それにしてもどうして向こうの人はカエルの声がリビットって聞こえるのかしらん(謎)

Vault は第二話
オリジナルではNorthがシーズン2の第1話になります。レイは実際は怪我をしていなくて保険申請のために演技で包帯をしているのです。
Letting goで 二人で山に行く話しをしているので 話のつながりとしては当然、Northです。 

サッチャー警部
マーガレット・サッチャーという名は鉄の女と呼ばれたイギリスの元首相が由来です。キャラの考案者はキャシーさん。
                                        

勝手な感想

24回死にかけたのに・・・・
第1シーズン同様、レイってばフレイザーに振り回されていますね〜。 それにしても金庫を水浸しにするとは突拍子も無い考え・・・・とてもついていけない(^^;) 「僕を信じられるか?」ってフレイザーに聞かれて「全然信じられねー。」と答えているレイ。でもそう言っておきながら、フレイザーの策略が何だか聞かないうちに同意してしまうところを見ると、やっぱりレイはすごくフレイザーのことを信頼しているんだと思います。24回死にかけているのにそれでも懲りずにフレイザーについていくのね(^。^)

とにかく、このエピめちゃめちゃ会話が面白かったですね。テンポもいいし・・・・
Jeff Kingが脚本の作品はほーんとツボをついたセリフが多いわー。「North」も確かそう・・・うーん 楽しみっっ!

                                                                  


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