第7章 I sink? 第8章はこちら
「I had a bad news.悪いニュースがあるんだ。」 そう言ったレイは少し悪びれたような眼差しでフレイザーを見つめる。 フレイザーは覚悟していたかのように軽く頷いた。 F:「Go ahead. 話してくれるかい。」 レイはふーっと深いため息をして話し始めた。 R:「As a matter of fact, Detective Hiyui who charges your case gets shot in the right shoulder. and he might be in the hospital for a month or more. so he couldn't investigate your case. I'm sorry. 実はな、おまえの事件を担当している比由井刑事なんだが左の肩に銃弾を受けて入院しちまったんだよ。多分、一ヶ月いやそれ以上かもしれない。よっておまえの事件は当分できない。残念だな。」 F:「Not your fault.君のせいじゃないよ。」フレイザーは静かに首を振る。 R:「But he chased my gangs.でも俺の犯人を追っていてのことだ。」 レイはかなり罪悪感を感じているのか頭をもたげ、唇を噛む。 するとフレイザーは先程印刷した会社の地図をレイに渡し、こう続けた。 F:「Actually thanks to Satoko.,I can get some clue. I'm going to visit the place on my own.実は佐都子のおかげで手がかりを見つけることができたんだ。よって明日、訪ねてみようと思うんだよ。」 R:「on your own? 一人でか? 」 F:「Yes. ああ。」 レイはよく見つけたな…というような顔をして熱心に地図に見入っている。 そんなレイの横顔を見ながら佐都子は内心、 (このシカゴの刑事が力を貸してくれたらどんなにいいだろう…)と レイがフレイザーに協力してくれること強く願った。 R:「You wanna go under cover.じゃあ、おまえ中に侵入するのかよ?」レイが心配そうにフレイザーを見る。 F:「I'm not as familiar with the art of entrapment ,Ray. But it appears to be an inside job and I can't see any other way to gather sufficient evidence.僕はおとり捜査とかそういうのは得意じゃない。でも明らかにその会社の中で何かが行われている。だから中に侵入するしか他に証拠をつかむ方法はないんだ。」 フレイザーの顔は思いつめたようである。 R:「Okay so what would your cover be?ふーん。じゃあどうやって中に侵入して捜査するんだよ?」 レイ同様、佐都子もそれがとても気になった。こんな人良さそうなフレイザーにおとり捜査なんかできるのだろうか?…と。思わずレイと二人で身を乗り出してフレイザーの言葉を待った。 すると、何故かフレイザーの表情はほぐれ、声が弾んだ調子になった。 F:「Naturally I'd start by removing my hat and any identifying symbols from the uniformまずネ、この目立つ帽子をとって、そして警官の制服は着ないんだ。.」 R:「Well that would be good and?ああ、そりゃいい考えだな。それで? 」 F:「I would stroll onto the company and I would introduce myself to the employees and I would ask a few informal questions.さりげなく会社の中に入っていって…えーと自己紹介をする。そして2,3質問をそこの従業員の人にするんだ。」 R:「Such as?なんて?」 F:「Does anyone here know Who killed a mountie? 誰が騎馬警官を殺したか知っている人ここにいますか?」 レイと佐都子はあまりにも直接すぎる質問に驚いて開いた口がふさがらない。 そんな二人をよそにフレイザーは明るくかわいい顔をしてこう続けた。 F:「Anyone seen a dead mountie?誰か死んだ騎馬警官知りませんか?…とか、また」 F:「Oh! If you've seen a dead mountie, please raise your hand.死んだ騎馬警官見たことある人、手を挙げて。」 そういいながらフレイザーは手を挙げる仕草をした。 「Okay,…I got. I'll help. わかったよ。わかった。もう…俺も手伝うよ。」 やれやれという表情をしてレイはうなずいた。 (やった!レイがフレイザーを手伝ってくれるのね。) 佐都子がほっとしてフレイザーの方を見ると、フレイザーが佐都子に向かって軽くウインクをした。 (フレイザーったら…さては、策略だったのね。) 純情そうなフリをしてまんまとレイを手伝ってくれるように巻き込んでしまったのである。 それから3人はしばし事件から離れ、料理に舌鼓を打った。 そしてデザートのマンゴープリンを食べ終わった頃、レイが明日の予定を話し始めた。 R:「Well,we get together at 8:00. in front of the hotel.Ok?じゃあいいか。明日、8時 ホテルの前に集合だ。わかったな。」 「へっ?」 何故に佐都子の方に向かってレイは話し掛けるのだろうか? (まさか?わたしも一緒に行けって言うの?)佐都子はびっくりした。 F:「Hold on, Ray, Ray、Ray we cannot involve satoko. レイ、レイ、レイ ちょっと待ってくれ、佐都子は関係ないんだよ。」 フレイザーが慌てて制した。 R:「Really? But we need someone speaks Japanese.でも日本語が喋れる奴が誰かいないと…」 F:「She isn't a cop ,you know.We never expose her danger. 彼女は警官じゃないんだ。危険な目に合わせるわけにはいかない。」 フレイザーは真剣だ。 そこで、レイが急に佐都子の方に向きを変えた。 R:「Do you have anything to do tomorrow? おまえ、明日なんか用があるか?」 突然、質問をふられたため、佐都子はどう答えていいかわからない。 明日は土曜日で会社も休みである。よって佐都子は暇には違いなかった。 レイの真っ直ぐな瞳に嘘はつけない佐都子は正直に答えた。 S:「Nothing in particular. いえ、別に…。」 その言葉を聞いたレイはニヤっと笑った。そしてフレイザーの背中を叩く。 R:「Deal . She can. You are running our of time. you should ask her.」 決まりだ。ひまだってよ。おまえ時間がないんだろ。頼めよ。」 しかし、フレイザーは頑なに首を横に振って拒んでいる。 そんなフレイザーがとても愛しく感じた佐都子はついに一緒に行く決心をした。 よって…・「I think I can help you. 」と言うことにした。 そして「I think…・・」と言いかけた瞬間である。レイが突っ込みを入れてきた。 R:「Why do you go down? 何、沈んでんだよ?」 S:「へ?」 R:「You said you sink. あんた 「私は沈む」って言っただろ。」 慌ててフレイザーがレイに耳打をした。 F:「Ray, Ray,Ray…She said "think", not "sink"」 レイはきょとんとしてから急に吹きだして大笑いし始めた。 R:「I know I know. She means think…」 どうも佐都子の発音"th" は "S"にしか聞こえないらしい。 よって I think が I sink に聞こえてしまったようだ。 レイはまだ派手に笑っている。 R:「Your English is disaster. you can practice on us. おまえ英語ひどいから、俺たちで練習しろよ。」 相変わらずレイの一言はキツイ。でもレイのおかげで3人ともずっと前から知っていたかのように打ち解けたような雰囲気になった。 これで、日米加 のへんてこトリオのできあがりである。 果たして、どんな捜査になるのか…・ 続きはまた来週〜(^o^)丿 (2003.3.31) Back |