― ディーフの計画 −

【朝6時】

フレイザーがキッチンで鼻歌を歌いながら、朝食の準備をしている。
そこへディーフがそろりそろりとやってくる。
フレイザーがお茶を入れながらディーフに話しかける。

「今夜はねレストランに行くんだよ。レイが昇進祝いでイタリア料理をご馳走してくれるそうなんだ」

寝ぼけ眼のディーフの目がパっと開く。

フレイザーが口をキュっと弓形に曲げて微笑む。
「なっ、楽しみだろ?」
「ワフッ」

「さて、おまえの朝食も用意しなくてはな」
と言って、フレイザーがクリスマスカラーの器にドッグフードを盛りディーフの前に置く。

ご飯を前にしてディーフのお腹が鳴る。
キュルキュキュキュル〜。

「あれ?どうしたんだ?ディーフ?食べないのか?」
「ワフっ」
「ははーん。さてはレイにご馳走をねだるつもりだな。わかった、もう勝手にしろ」
フレイザー、ため息混じりに苦笑する。

「ワフっ」

タカタカタカ・・・と早足でディーフはキッチンから出て行く。

*おしまい*