Hawk and a Handsaw  新薬開発の陰に 第14話 (writer:David Shore &Paul Haggis  Director:David Shore)

※すみません。今回は感動してしまったエピだけに長いです。どうぞお時間のあるときに以下をお読みくださいませ ^_^;

 このエピの見所はずばり 「金髪に釘付けのディーフ」でしょう。(笑) ディーフィ〜金髪美女にメロメロです。
では、ディーフは置いといて・・・見所としては、患者のふりをして無垢な笑顔をふりまくフレイザーとレイのパニックぶりでしょう。
そしてシェイクスピアの悲劇をとうして自分自身の悲劇を乗り越えていくための試練が描かれていることです。
最初は二人の漫才で始まってコメディーかな〜と思ったのですが、涙なくしては見れない非常に重い作品でした。
(ファンの間では第1シーズン上位人気作品)


Episode Guide
レイの健康診断につきそったフレイザーは偶然、精神病患者(ウォルター)の飛び降り自殺行為を危機一髪食い止める。
しかしウソをついて助けたという罪悪感から患者の力になろうと決心。ウォルターはしきりに「タイを見たか?」と言っていた。
よって彼のためにタイという人物を探し始める。結局、彼の弟であったタイは死んでしまっていたが、謎を追求していくうちに病院での不適切な臨床実験に気づく。
そして事実を明らかにするためにフレイザーは患者になりすまし病院に潜入するが・・・・

この題名
「Hawk and a Handsaw」というのは劇ハムレットの第二幕第二場のセリフから引用したものです。 
このエピは狂人や亡霊をテーマにしたものでハムレットとテーマが一緒・・・ということでフレイザーのセリフの中でハムレットが語られています

詳しくはこちら  奥が深いですーこのエピ・・・・ハムレットを知っていると面白さ倍増です。


Music 
Akua Tuta - Kashtin        (フレイザーがブルーの部屋を病院内探しまわるときの曲)  *サントラに入っています
リズム感があって大、大、大好きな曲です♪歌っているのはカナダのインデアン音楽では有名なミュージシャン
この歌詞なんですが Akua Tuta というのは 「気をつけて!」っていう意味です。潜入捜査で身を投じているフレイザーにぴったりですね。


Character Sketch
ディーフェンベーカー
ディーフ、ドクターピアソンの金髪に夢中。釘付けになって動けません。ディーフ、そういう趣味だったか・・・

☆フレイザー
キーボードをたたく音だけで暗証番号を推理 しかも歌にしてしまうとは・・・
唾液分泌量自由自在
*精神病患者とはいえ決して差別はしない・偏見の目で見ない
*物理学にも強い                  
アルキメデスまで出てきましたね でもレイを支柱にするなんて・・・
*子供の頃の朝食は オートミールとバナナ  お通じによさそうですね
*肩が簡単にはずせる               このシーン、覚えておいてください。ちょっと矛盾がこの先のエピであります
*全く冗談が通じない     レイがせっかく面白いこと言っているのにまたまた 真に ウケている 本当につまんない子だわ

☆レイ
子供のころ弟と一緒にお風呂に入っていた  もう最初のナーバスなレイがすっごく面白い
*パニックに簡単に陥りやすい           
ヘールプゥうううという絶叫がスゴかった
*密室に閉じ込められたとき、てこの支柱にされてしまいます(涙)
*カギをこじ開けるのはまかせとけっって感じ
*なんだかんだ言っても困った人をほっとけない   
最初は冷たく突き放しますが結局はほっとけないんですよね
*カトリック教徒                       
さりげなく神父さんにねだられています。人のいい レイ

Quote

 気になるシーンの引用です。     

Fraser: You have dreams of your mother naked?
Ray:
I said brother.
Fraser:
You said mother.
Ray:
I know what I said. I said brother. It's my dream, I should know who's in it.
Fraser:
Well how long you been having this dream
Ray:
There is no dream. I made it up.

フレイザーのレイを不思議そうに見る顔がかわいい(^.^)
病院でレイの健康診断にフレイザー付き添います

フレイザ− 「お母さんの裸だって?」

レイ      「弟って言ったんだよ。」 フレイザー「お母さんて言ったよ。」
レイ      「本人が弟って言っているんだ 間違いないって!」
フレイザー 「いつからそんな夢見てる?」 レイ「これは例えだって!!!」


フレイザー、例え話につっこむ、つっこむ。もうほとんどボケとつっこみの世界です。二人の漫才をずっと聞いていたいくらいでした。(^○^)



Walter:
You always get your man that
Fraser:
You know that's a popular misconception. It really isn't our motto. It was invented by the writer of an early black and white movie. Our actual motto? Maintain the right. Which admittedly may not be as--
Ray: Benny
!
私服のときはたいていレイはフレイザーのことを愛情たっぷりの愛称ベニーって呼ぶことが多いです。

フレイザー 窓の外の患者を助けようとするシーン


ウォルター 「いつも赤い制服着ているだろ?」 
フレイザー 「いつもそう誤解されていますが本来の姿ではないんです。モノクロ映画の脚本家がでっちあげたもので正義を保てという基本理念のもとで・・・」 
レイ     「フレイザー!」


フレイザー 緊急事態なのに真面目に騎馬警官の基本理念を話し始めます。この人の場合この手の話はほっとくといくらでも話します。人が生きるか死ぬかって時にも・・


Fraser: Excuse me, can you take us to Mike's House, please?
Ray: Don't you think you're being a wee bit desperate?

このバスに乗り込んだ後、さりげなくご婦人の手を取って助けてあげるのがフレイザーらしいわぁ(^.^)
バスの乗り換え場所でマイクの家を探すシーン

フレイザー 「すみません このバスマイクの家に行きます?」
レイ      「おまえちょっとヤケクソになってないか?」

最初にこのシーンを見たとき、私もレイと同じ心境でした。おいおい全部のバスにこうやって聞くの?マジですかフレイザー?but 7台 待ってようやくバスに乗ります。呆れ果てたようなレイの表情がいいなー。人の良さそうなフレイザーの笑顔も素敵。


Ray:Oh all right, what's your theory? The guy jumped from the fifth floor of the hospital, caught a thermal updraft and flew the sixteen blocks to the river?
Fraser: Well that's just silly Ray.
Ray: It's a joke.

もう小山さんと阿藤さんのやりとりが目に浮かぶようです(笑)
 死体現場へ向かうレイの車の中 死体はどうして川にあるかの議論 

レイ 「どういうわけで?五階から飛び降りたヤツが上昇気流に乗って、16ブロック先の川へ飛んでったか?」 
フレイザー「それはありえないよ。」       レイ 「ジョーク!!」

たまには、レイのジョークにウけてあげてくださいっ!フレイザー

もう呆れたようなレイがおかしすぎ〜

 

Ray: All right, look, see the Mountie over there? Tell him he drowned.
Pearson:
Forget it.
Ray:
Come on, there's no law against lying to Canadians. I'd owe you one.

レイ相変わらずフレイザーのこと馬鹿にするときカナダ人っていうんだからっ もう(笑)

死体現場でレイがドクターピアソンに向かって

レイ    「それじゃあ頼みがある あの騎馬警官に溺死だって言ってくれ
。」
ピアソン  「いやよ。」
レイ     「別にいいじゃないか借りは返すから。」

直訳 レイあそこに騎馬警官見えるか?彼に溺死だって言ってくれ。」
ピアソン  「いやよ。」
レイ     「カナダ人に嘘ついちゃいけないって法律は無いぜ」




Fraser: Although that's very kind of you. But you see that would play right into his tendency to manipulate.
Pearson: It's no problem.
Fraser: Well, thank you Dr. Pearson.
Pearson: Esther.
Fraser:Esther Pearson? You wouldn't by any way be related to...

このドクターは「エスター」  カナダの首相は 「レスター」Lester Bowles Pearson  似てますね。
ディーフ 金髪に釘付けシーン ピアソンに送ってもらおうとします

フレイザー  「そんなことをすればこいつの思う壺です。」 
ピアソン    「構わないわ。」  フレイザー 「すみません。」
ピアソン    「エスターよ。」
  フレイザー 「ピアソン元首相の?」

フレイザー何かとカナダと関連づけたがります。カナダがほんと好きなのね。
さてここで出てきたピアソン首相なんですがかなり偉い人です。詳しくはこちら

ピアソンはフレイザーにかなり気がある感じですね。ディーフ 飼い主がハンサムでラッキーじゃん。d(^-^)


Fraser. Who ever dumped that body didn't want us to know who he was or where he came from.
Ray: Ah Fraser, I'm begging you please.
Fraser: There's something going on inside that hospital Ray.
Ray: You're crazy!
Fraser: That's a good idea

ここかけてます!クレイジーだよ!って言われ、そうか私はクレイジーになって患者になればいいんだ!とひらめいたわけです。

死体を検証し終わって車に乗り込もうとする レイ&フレイザー

フレイザー  「遺体を捨てた人間は犠牲者を闇に葬るつもりだ。」
レイ      「フレイザー勘弁しろよ。」
フレイザー  「あの病院の内部が怪しいな。」 
レイ       「正気か?」 
フレイザー  「そりゃあ 名案だ。」 


直訳  フレイザー「遺体を捨てた人は誰でも遺体が誰でどこから来たか知られたくないはずだ」 レイ「もうこれ以上よしてくれよぉ。」
フレイザー「病院内部で何かが起こっているに違いない。」
レイ    「お前は精神異常者だよ」
フレイザー「(僕は精神異常者か)いいアイデアだ!!
」   
ナイス!



Psychologist: Do you have anyone who can vouch for you here?
Fraser: Well, yes, there's my wolf. Although I'm not sure he would vouch for me. If you know anything about lupine behavior, you know how moody they are and on top of that he's deaf.
Psychologist: Name?
Fraser: I'd rather not say.

名前を言わないということでカルテに John Doe と書かれます John Doe とは?こちら

病院での問診にて

心理学者  「こちらに身元を保証してくれる人は?」
フレイザー  「狼が一匹。ただ保証人としてふさわしいかどうか。
狼は気まぐれですしその上耳が聞こえません。」
心理学者   「名前は??」
フレイザー  「言わないでおきましょう。」 

フレイザー本当のことを話しているのに余裕で患者と認定されるところがおかしい(爆)

最初、椅子に座ったときのフレイザーの純真無垢な笑顔がめちゃかわいいのです。  ところでフレイザー 領事館の仕事しなくていいんですか???



Danny: He's John Doe.
Nurse Unger: There must be a mistake here.
Danny: No-no-no-no. It's right here. Number thirty-six.
Nurse Nobody tells me anything.

さっそくフレイザーJohe Doeと言われています
薬をもらうシーン

看護婦    「何かの間違いね。」 看護士「いやいいんだ。」
看護婦がコンピュータをチェックしに行き キーボードを叩く。

二回目に見るとたしかに「線路は続くよ」のテーマ曲どおりキーボードを叩いています。その音を聞いたとき、フレイザーの視線がピカッ!鋭いっ

フレイザーここでもルックスで看護婦を悩殺、味方につけます。





♪ Akua Tuta ミュージック

Patient A: Which way did they go?
Patient B: North by northwest.

直訳  患者A「どっちへ行った?」
     患者B「北北西」

この会話をフレイザーは聞いていました。
ブルールームを探し病院内を行進するシーン

フレイザーの入院の服装・・・白い浴衣みたいな服にstetson帽子・・・
何かに似ているかと思ったら 「 かかし 」でした。(笑)
この行進の場面では 大好きな首をかしげたポーズが多くてみとれてしまいます。

この行進の最後に訪れた部屋が患者が飛び降りた部屋なんです。なるほどー。



----泣けるシーンのはじまり (T_T)

Fraser:
Come on in. One of the patients said something and I was just trying to remember where I heard it. My father used to quote it. It's from Hamlet. 'I am but mad. North by northwest. When the wind is southerly, I know the difference between a Hawk and a Handsaw.'
Walter: You ain't helping them you know.
Fraser: People see things.
Walter: Sometimes they do but that doesn't mean that they're real. That doesn't mean that it happened.
Fraser: Well I'm not sure about that. Quite often I see things that nobody else seems to.
Walter: Well, that's why you're here.
フレイザーの病室にて ウォルターが入ってくる

フレイザー  「患者の一人が言ったことを思い出していた。父がよく引用していた。
ハムレットだ。我が狂気は北北西の風、南風が吹けば人並みにモノのけじめはつくようになる。」

直訳 フレイザー「患者の一人が言ったことを思い出していた。父がよく引用していた。ハムレットだ私は北北西の時だけ狂人だ。風が南に吹けば私は鷹とサギの区別がつく。」

かの有名なハムレットの引用です。このエピのタイトルのポイントです!!
詳しくはこちら

フレイザー  「僕も実は他の人が見えない何かが見えるんだ。」


これって時々出てくるフレイザーパパのことですね。きっと。



Fraser:. And then some people find it easier to make a new reality. Especially if the truth is too painful.

ウォルターが自分が死にたかったと言ったときフレイザーがひどく同意する表情を見せます。
「人によっては偽の現実を作ってしまう。あまりにも現実が辛くてね。」

ここでヴィクトリアの過去に苦しんでいるフレイザーの胸のうちが明かされます。
本当に見ていて辛いシーンです。




and I noticed he had a beard, and it kept getting longer and longer and he got thinner and he stopped going to work. My mother died and my father stopped living

ポールが本当に泣いています。もう喉を詰まらせたセリフには、こっちまでウルウル泣いてしまいました。特にthinnerの部分・・・かなりココでやられてしまったファンは多いのですよ。

Walter: Well your dad was a very strong man.
Fraser: He just woke up and the wind was from the south and he found he still knew the difference between a hawk and a handsaw.
フレイザーが母を無くしたときの父を語るシーン

このシーンの小山さんのお声を聞いたとき「ああ!やっぱりフレイザーは小山さんしかいないわっ!って思いました。寂しく誠実そうな口調にもう最高に感動してしまいました。間がいいんです!フレイザーの心理状況をとてもよく表していらっしゃいます(感涙)

ウォルター  「親父さんは強い人だったんだ。」
フレイザー  「父が起きた時南風が吹いた。そしてモノのけじめがつくことに気がついたんだと思う。」

直訳 フレイザー「父が起きた時ちょうど南風が吹いた。その瞬間彼はまだ鷹とサギの区別をつけることができると気がついたんだ。」
自己を失った父が正気に戻ったことを語ります。



※閉じ込められる前に密かにフレイザー命の帽子を脱いでいますフレイザーに危険が迫る予感・・・・

Ray: You know there's only one problem with that. We're a lot bigger than air.
Fraser: Air's flowing through the padding. I sharpened my buckle.
Ray: You anticipated cutting your way out of a rubber room?

I sharpenedと言った時フレイザーは自分の目を指します。
I と eye をかけて 目が鋭い、ボクって機転がきくだろう みたいなニュアンスなのかもしれません。


密室に閉じ込められたレイとフレイザー フレイザー、帽子の金具で壁を切り裂く

フレイザー  「空気が入ってくる。」
レイ      「言っておくけど俺たち空気よりでかいぞ。」
フレイザー 「そんなときのために金具を削っておいた。」
レイ      「閉じ込められるのを予測していたのか?」

イのとぼけたセリフがツボでした。それにしてもフレイザーの帽子ってなんて万能なの・・・・サイフになるわ、武器にもなるわ、ナイフにもなってしまう・・・
このシーンではまさにフレイザーのサバイバル能力のすごさが出ていました。





Ray: Last chance Dinah.
Fraser: Perhaps it was the refrain.It was Dinah blow your horn.
レイ      「ラストチャンスだ」
フレイザー 「リフレインだったかな」「最後のとこだった」

直訳
レイ      「ラストチャンスだダイナ!」
フレイザー  「リフレインだったかな。」「ダイナブロウユアホーンだった」


ナント!!「暗証番号が違います」のお声は聖子さんだそうです!
(イレーン)!皆さん もう一度聞いてみてくださいね
フレイザーとレイ キーボードの前で暗証番号を考えるシーン

この緊迫した場面で二人で脳天気にハミングしてしまいます(爆笑)
特にレイなんか首振って歌っているし。(゚-゚)

原語の方ではダイナ と言っていますね。実は線路は続くよの最後の部分の歌詞なんです。私知らなかったんですがコレ全然歌詞が違うんですね。日本版は結構ほがらかな歌詞なのに本当は労働者のボヤキそんぐだったとは・・
歌詞はこちら




※ フレイザーの帽子が吹き飛びます(危機の予感)

Fraser: Know any Shakespeare Doctor?
Dr. Martins: I don't get much time to read.
Fraser: Well you will.


レイがこのあと恐る恐る助けにいくんですよね。言葉は荒いけど内面はとっても優しいのですヨ。レイ(はあと)
フレイザー飛び降りようとするドクターマーティンを助ける

フレイザー 「シェイクスピアは読みますか?」
マーチンD 「あいにく時間がなくて・・。」
フレイザー 「じゃあ今度ぜひ。」


シェイクスピアの作品は喜劇、悲劇を通して人間の真の姿をとらえようとしています。生きるための哲学、真実探求を真摯な態度で語っている作品、これらを心理学者として読んでみてねーと フレイザー落ちかかっている人の足をつかみながらアドバイスしています。(^_^)




----とどめの泣けるシーン (T_T)
Walter: Good. I'm doing okay. I miss Ty and for the first time I really miss Ty.
Fraser: I'm sorry.
Walter: No, it's okay. That's good. In a funny way it means I kinda have him back again. I'd rather miss him then forget him. Anyway.


この最後のセリフにやられました--−−
本当に愛する人を亡くした場合・・・・「忘れるより辛いほうがまし・・」
こんなふうに考えることができるまでどんなに辛いことか・・・・

フレイザーがあえて制服で会いに行ったのが印象的でした。
教会にて

フレイザー  「元気かい?」
ウォルター  「ああ 寂しいけどな。やっとタイの死を受け入れたから。」
フレイザー  「つらいね。」
ウォルター  「いいんだ。ある意味であいつは戻ってきたんだ。忘れるより辛い方がましだ。」

どうしようもない悲劇に直面したとき乗り越える辛さを語っています。
母を亡くし、父を悲劇的な結末で亡くしたフレイザーもこの辛さと闘っていました。
彼の言葉に共感したフレイザーは同意とも思われるうなずきを心からします。
彼自身はまだ乗り越えられない悲劇(ヴィクトリアのこと)があるのを知りながら・・・・

 
おまけ


Hawk and a Handsaw
ご存知のとおりシェイクスピア四大悲劇のひとつ「ハムレット」からの引用です。
ハムレットは父の亡霊が本物か偽者かの葛藤から物語が始まります。そして自分自身の悲劇に押し潰されるほど悩みまくります。
よって狂気とも思われるいくつかの発言をするのですが・・・(あのー私、シェイクスピア全然知りませんので他のサイトで詳しくはどうぞ(汗))

第二幕第二場 においてハムレットはこう言います。

「私は北北西の風のときだけ狂人だ。風が南向きになれば、私は鷹とサギの区別はつく。」
'I am but mad. North by northwest. When the wind is southerly,
I know the difference between a
Hawk and a Handsaw.'


解説:鷹狩において 風が北北西のときはサギのような鳥は南南東に逃げる。
したがって太陽が真向かいになり北北西のときは鷹狩には向いていない。南に吹いたときに私は正気に戻って狩ができる。
Hawk = 鷹  Handsaw = heronshow でサギ (成城大学教授 大山俊一訳)

まーごちゃごちゃ書きましたが、フレイザーはウォルターに向かって、今の君は北北西の風が吹いているんだ。
南風を吹かせ正気になるんだっっ と励ましていることでせう。(勝手に解釈)  
またウォルターがシェイクスピアを理解できるぐらいの知識をもっている設定にするために 本をずっと持たせています。

関係ないですがヒッチコックの北北西に進路をとれもここから来ています。


John Doeって誰?
エピの中で 「名無し」 と言われているのは 実は John と英語版では呼ばれています。
フレイザーのカルテにもそう書かれてありました。John Doeさんとはアメリカ映画でもよく出てきますが意味としては
名無しの権兵衛(身元不明者に使う仮名) または本人が本名を出したくないときに使う男性名 となります。


ピアソン首相ってどんな人?
カナダの元首相 外相時代にスエズ危機の解決に尽力し、ノーベル平和賞をもらっています。
またこの首相の在任中にあのカナダの国旗がメープルリーフデザインになりました。アイスホッケーをこなく愛し、
現在トロント国際空港は この首相の名をとってピアソン空港となっています。


線路は続くよ〜どこまでも〜♪
I've been working on the railroad

日本語版:

線路は続くよどこまでも     
野をこえ 山こえ 
谷こえて

はるかな町まで
僕たちの
楽しい旅の歌
つないでる

英語版

I've been workin on the railroad,
All the live-long day;
I've been working on the railroad,
Just to pass the time away;
Can't you hear the whistle blowing,
Rise up so early in the morn,
Can't you hear the captain shouting?
"Dinah, blow your horn."


おれは一日ずっと線路工事
一日ずっと線路工事
ほんの暇つぶしに
笛の音が聞こえないか
朝早く起きてごらん
聞こえないか、親方が大声で言ってるぞ
「ダイナ、笛を鳴らしてくれ



シェイクスピアとdueSOUTH
DSではハムレットの引用は「天国と地獄」にも出てきますね。
シェイクスピアの悲劇は 完全に善でも悪でもない人間が、あらゆる環境、外的力に支配され、これに対抗しつつも・・・・・
自分の内面的な弱点・欠点のために、やむなく悲惨な結末へとたどらなければならない・・というのが初頭のテーマです。
「恋に落ちたフレイザー」に通じるものがあるような気がしませんか?
またハムレットのように自己の葛藤に打ち勝とうとするフレイザーの内面が人へのアドバイスを通して語られています。


見ーつけた
バスに乗りこんでマイクの家を探すシーン   乗り換えのバス停の天気が晴れから急に雪になっています(笑)
ドクターピアソンはdueSOUTHプロデューサー ポール・ハッジスの奥さん。
最後の病院のシーンでポール・ハッジス自身も患者の役で出ています(笑) 
神父さん初登場 The Deal(復習のときは今だ) VS(恋に落ちたフレイザー)で出てきた神父さんです。

                                                                     
タイ・カップとタイ・バビロニア

『新薬開発の陰に』を一番最初に見たとき???だったのが、タイ・カップとタイ・ババロニアという人の名前です。日本語版ではこうなっていました↓(バスの中での会話)

フレイザー「タイは何をしていたんだろう?何故彼は必死に止めようとしたのだろう。」
レイ「タイなんかあいつにはタイ・カップなのか魚の鯛なのかわかんねえよ。タイ・カップに野球をやめろと言ったかもな。時々タイカップが見えるだろうよ!」

英語版だと
Vecchio: Fraser, the guy's insane, he could be talking about Ty Cobb or Tai Babilonia. Maybe he wants her to stop figure skating, which by the way I prefer all men stop immediately.
-タイカップかタイ・ババロニアのことについて話していたのかもしれない。-

このタイ・カップ、一昨年、イチローが大リーグ最多安打を記録したとき話題に出て、ををを!と思ったのでした。アメリカン・リーグの首位打者となること12回、1991年には248本のヒットを打った名選手だったのです。
一方タイ・ババロニアの方は、知る人ぞ知るフィギュアスケートのペアの名選手(第13回オリンピック冬季競技大会 レークプラシッド大会(アメリカ)出場)だったのですね〜。

まあ知らなくてもエピを見るには関係ないのですが・・・・日本語版の魚の鯛は傑作な名訳ですね。

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