フレイザーとディーフの ガーンな一日
by Santa


「ただいまディーフ。」
フレイザーがステットソンを片手に声を弾ませて戸を開けた。
「ディーフ? ディーフェンベーカー?」
いつも居るはずの定位置にディーフがいない。
フレイザーは首を傾げて部屋の中を歩き回った。
もしや、またカーヴァーが・・・・(汗)
フレイザーの顔が不安で曇る。
毒を盛られ、鼻にマズルをかけられ廃棄車のガラクタの中に棄てられているディーフの姿が頭によぎる。
焦ったフレイザーは必死になってディーフの名を叫んで部屋の隅々を探した。

ゴソゴソ、ボリボリボリ・・・

耳を澄ますとベッドの裏側で謎の音が聞こえてくる。
フレイザーがぬうっっと覗き込むと、ディーフがだらしなく腹ばいになってドンタコスの袋に顔を突っ込んでいた。
ディーフの図
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「ディーフ!」
ムっとしたフレイザーが声を荒げる。
だがデフなディーフには聞こえないらしい。まだゴソゴソ食べ続けている。
「ディーフ!」
ピシャッ!
フレイザーがディーフのお尻を叩いた。
ようやく狼がゆっくり顔を袋から出した。
そして「何か用?」みたいな顔でフレイザーを見上げた。
「"何か用?"じゃないだろう、ディーフ。心配したじゃないか。」
フレイザーの目がきつくなる。
「全く、隙あれば、そんなものを食べて。もうお前は狼じゃないな。犬だ。犬に格下げだ。犬コロだ。ワン公だー。 日本ではもう"犬" と吹き替えになっているんだぞ。」  ※ 注


ガーン〜。ディーフがショックで固まる。
そして、頭を下げて塞ぎこんでしまった。

そのときである、レイが勢いよく入ってきた。
「よお暑いな。これ、ママが買ってきたアイスクリーム。お前達にも分けてあげようと思って。」

茶色い紙袋からアイスのカップを取り出した。

「やあ、レイ。有難う。でも、ディーフはダイエット中なんだ。だから僕がいただくよ。」
フレイザーが嬉しそうに受け取りしげしげとアイスのラベルを眺めた。

ガーン〜。フレイザーがショックで固まる。
そして、頭を下げて塞ぎこんでしまった。

「どうしたんだ、フレイザー・・・。」
レイがオロオロしてフレイザーの顔を見つめた。

「気に入らないのか?どうした?なあベニー?」
レイが怪訝にアイスのカップを見るとそこには「ジェラード」と綴ってあった。

「あちゃー・・・・・」

落ち込んだ、マウンティと狼を残してレイは部屋を出た。


The End

***このお話は完全にボツ!

というのも英語ではアイスクリームのジェラードとジェラードおじさんはつづりが違うんです。それにジェラーでした。

※注
 これは本当です。「悩める兄妹」でディーフは犬になっていました


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