The Deal    復讐のときは今だ」の最後の続きから

 靴職人パドゥーチが教会の募金バコを盗んだのをきっかけにマフィアのボス、ズーコの悪事が明るみに出た。バドゥーチを助けようとしたフレイザーはボコボコに殴られ瀕死の状態に。レイ&ズーコの対決シーンが見もののこのエピなんですが。・・・最後は怪我をしたフレイザーがアパートで寝ようとするとき、レイの妹フランチェスカが訪ねてくるシーンで終わります。フレイザー危うし!!  

体に怪我を負ったフレイザーがshirtlessの状態でベッドに横になっていると、ドアのゆっくり開く音が・・・・。驚いて起きるとそこには下着姿のフランチェスカが立っていた。「Don't be afraid」と彼女は微笑を浮かべながら部屋に入ろうとしていた。意表をつかれた攻撃にフレイザーの青い瞳は大きく開かれ、緊張が全身に走った。彼はシャツを着ていないという全く無防備の状態で彼女を向かえることになったのだった。

フレイザー ::「ど、どうしてここに?。」
フラニー   :「約束したじゃない。そんなに怖がらないで。リラックスしましょ。」 と近寄ってくる
フレイザー ::「フランチェスカ、もう、遅い時間だ。ご家族の方が心配されているのでは。?」
フラニー   : 「そんなこと関係ないわ。夜はこ・れ・か・ら」

ベッドに座っているフレイザーの真正面にとうとうフランチェスカは立ったのであった。、大きく見開いた目はストレートにフレイザーに向けられ、ゆっくりと両手をフレイザーの肩に向けて差し出した。そしてまさに触れようとした瞬間・・・・・・・

        :「うわぁ〜泥棒だぁ〜」
と窓の外から老人のうろたえた叫び声が・・・・「Thanks GOD」とフレイザーは心の中でつぶやき、窓から首を出して眺めると老人が腰を抜かして倒れており、その数メートル先を男が走って逃げていた。

フレイザー :「緊急事態です。残念ですが、失礼。」「ディーフ GO!」
ディーフに号令をかけた後、赤いシャツをはおり、帽子を手にし、軽く会釈してフレイザーは窓から飛び降りたのだった。

フラニー  : 「ちょっと、なんなのよ。」 残されたフラニーはただ茫然と立ちすくむ。

通りに出たフレイザーは倒れている老人を助け起こし、何が起こったのかを聞いた。
老人    : 「男に パンを盗まれた。」
フレイザー : 「パンですか?。」
老人    : 「そうだ。角のスーパーで買ったパンだ。その袋を盗まれたんだ。」
老人    : 「気を使ってくれて有難う。大したことはないんだ。もう遅いから君も帰りなさい。」

「帰りなさい」この言葉にフレイザーの動作が止まった。今、アパートに戻ったらどうなるのだろうか・・・・・・。

フレイザー :「いいえ、私に任せてください。必ず取り返しましょう。」

老人が「別にいいよ」と言うまもなく、フレイザーは通りの向こうを走っているディーフを一目散に追いかけたのであった。


― 次の日の朝 ― シカゴPD 27分署

若い男を連行したフレイザーがオフィスに入ってくる。そして、ヒューイ刑事に男の身柄を引き渡した。

― 数時間後   ― シカゴPD 27分署  レイがオフィスに書類を見ながら入ってくる。その後ろにフレイザー。

レイ     :「それで何か?一晩中あの男を追っかけまわしてたってことか?犯人の野郎も驚いて いたぜ。バイクで30km以上も逃げたのに追っかけて来たって。こんなしつこい警官初めてだってさ。おまえもよくやるよな。」

 レイ、ドーナツを片手に、机に座る。そしてフレイザーをチラッとみて他の書類を見ながら話を続ける。

レイ     :「それもよー、盗んだのはパン2個っていうじゃないか。閉店間際の深夜スーパーで買った5セント引きのやつ。まったくおまえの歪んだ正義感もここまでくると病気だな。」

フレイザー :「・・・レイ。近所の住民を守るのは我々の義務だ。」
レイ     :「義務ったってなー。あんな遅くに、一晩中・・・  でも良かったよ。」
フレイザー :「何が?」
レイ     :「実はさー、フラニーの奴が昨日遅くまでいないんでてっきりお前のトコ押しかけたと思ったんだよ。」
フレイザー:「・・・・。 で彼女は?」
レイ     :「あー夜明け近くに帰ってきた。どーせどっかで道草でもしてたんだろ。」
フレイザー:「元気そうだった?」
レイ     :「まーな。何だよ、ばかに心配するじゃないか。」
フレイザー :「いや・・・。そんな・・・。」
レイ     :「まー、お前のアパートにはあの食いしん坊の狼がいる限り、誰も近づけないよな。」

フレイザー、うつむき加減で下唇を噛む。そしてゆっくり話し始める。

フレイザー: 「レイ。実は・・・。すまない。」
レイ     : 「えっ、まさか、おまえ。」

フレイザー :「君のドーナツ、今ディーフが持っていってしまったみたいだ。」
レイ    : 「おーい。またお前の 狼が俺のドーナツ食っちまったのかよ!」

THE END

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