Ray |
角を曲がったところに上手い店を知っているんだ。 |
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と言って目当ての店に二人は向かった。すると残念なことに今日は定休日だった。 |
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Ray |
おい、なんだよ、今日は休みかよ。 |
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と言ってから周りを見回す。すると「もんじゃ焼き」の看板が目にとまった。 |
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Ray |
おい、この店どう思う?フレイザー。 |
Fraser |
あまり見慣れないな。中華料理かい? |
Ray |
まーそんなとこかな。 |
Fraser |
レイ、そうとはいえないな。日本料理かもしれない。 |
Ray |
ごちゃごちゃ言うなよ。俺、腹減ってんだよ。ついてこい、いくぞ。 |
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ハラペコなレイはもう何でもいいから・・・という表情で店の中に入っていった。 |
まるっきり下町お好み焼き風の店内に二人は一瞬絶句、そして鉄板のあるテーブルに通された。 |
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店員 |
ご注文何にします? |
Ray |
メニューもらってないんだから頼めねーよ。 |
店員 |
うちメニュー無いっすよ。壁に貼ってある紙見てくれる? |
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壁には「明太子もんじゃ」「もち入りもんじゃ」「ミックスもんじゃ」「海老もんじゃ」といろいろ書いてある。 |
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Fraser |
壁か、考えたな。 (フレイザー変なところで納得する) |
Ray |
信じられねーよ。全部漢字かなんかで書いてあるよ。 |
Fraser |
…・・ |
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店員注文を聞きに来る |
Ray |
決められないぜ。まるでギリシャ語のように訳わかんないよ。 |
Fraser |
レイ、それを言うなら日本語だ。 |
Ray |
うっせーな。例えだよ、例え。 レイ困り果てて絶句してしまう。 |
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数秒後フレイザー ゆっくりとオーダーし始める。 |
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Fraser |
BUTA MONJYA MOCHIIRIMONJYA MIX MONJYA 以上 |
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店員、注文の確認をとってから立ち去る。レイ、驚いた表情でフレイザーを見つめる。 |
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Ray |
驚いたなぁ、お前日本語喋れるのか? どこでいったい習ったんだ? |
Fraser |
イヌビック図書館。祖母が日本の本が好きでね。8歳のときよく読んで聞かせてくれたんだ。. |
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数分後、店員が注文のもんじゃのタネをアルミのカップに入れて持ってくる。そして忙しそうに置いて立ち去る。 |
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Ray |
おい、ちょっと待て、これ食いもんかよ!マジで。離乳食みたいだ。こんなの食べれるかよ。 |
Fraser |
レイ、どうもここは自分たちで料理するシステムのようだ。(フレイザー周りを見回して分析する) |
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Ray |
自分でか? |
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俺たち客だぞ。なんで料理しなくっちゃならないんだよ。 |
Fraser |
ルールなんだ。仕方が無い。従おう。. |
Ray |
わかったよ。俺に任せろ。 |
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レイが豚もんじゃのカップをとりそのまま鉄板に流し込む。 |
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Fraser |
レイレイレイ。それは賢いやり方とは言えないな。 |
Fraser |
続ける前に、結果を考えないと。 (とフレイザーやたら理屈っぽい) |
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キャベツ、具はダシと別になって混ざらない。ヘドロのような物体が鉄板の上に流れる |
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Ray |
ぎゃー。汚ねーよ。ますます食いもんじゃなくなる。もうたくさんだ。. |
Fraser |
レイ?今度は僕がいいかい? フレイザー、ミックスもんじゃのカップを指差す。 |
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Ray |
勝手にしろ。 |
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フレイザー、まず目をつぶり、右手を突き上げ人差し指を掲げる |
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Ray |
おい風向き見て何するんだ。この化け物料理と関係あるのかよ? |
Fraser |
空調システムを確かめているんだ。 |
Fraser |
我々の煙が他のお客さんを悩ますわけにはいかないからね。 |
Fraser |
一秒待って礼儀正しくさ。
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フレイザー、まずキャベツ豚バラ肉と切りイカを軽く炒め、次に残りの具を入れて炒める |
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キャベツがしんなりしたら、ドーナツ型の土手を作リはじめる。
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Ray |
なんだよコレ?城砦でも作ってんの? |
Fraser |
そんなものだ。砦を作れば液体が流れ出すのが防げるからね。. |
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Fraser |
僕が子供の頃、父が料理についてあることを教えてくれた。二つあったが一つは忘れた。 |
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重要なのは肉から炒め、その後に野菜を炒めるということだ。. |
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Ray |
もう一つは何だったんだよ? |
Fraser |
下着にサイフを紐でしばっておくってことだったかな。
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フレイザーなんとかもんじゃを作る。 |
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Ray |
おい、もう作り終えたか? |
Fraser |
ああ、そのようだ。レイ。 |
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レイできあがったもんじゃ焼きを見て嘆く |
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Ray |
今だかつて、こんな変な料理見たこと無いよ。 |
Fraser |
見た目で判断してはいけないよ。レイ。 |
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もんじゃ焼きの生地が少し焦げてきたので二人食べ始める。 |
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Ray |
おっ!なかなかいけるよ、フレイザー。でも味がちょっと淡白だ。うーん一量も足りないな。. |
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フレイザーポケットから何かを取り出してもんじゃの中にちぎって入れる。 |
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Ray |
おい、なんだよソレ? |
Fraser |
干し肉だ。これ胃の中で膨らむんだ。それでまだ足りなかったら水を飲むといいよ。 |
店員 |
ちょっとお客さん困るんだよね。ウチは持ち込みお断り。トッピングが欲しかったら言って。はい紅しょうがサービス。 |
Fraser |
Thank you kindly. フレイザーしょうがをもらって嬉しそう |
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3個目のもんじゃを焼こうとした瞬間、突然、鉄板がビーという音をたてて電源が落ちた(こーゆー言い方するのかな(~_~;))
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Ray |
なんだ なんだ |
店員 |
すみませんね。お客さん鉄板壊れちゃったみたいです。余熱で食べてくれる? |
Ray |
マジかよ |
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諦めて、続きを余熱で焼こうとするといきなり店内が真っ暗になる。 |
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Ray |
おい、今度は何だよ? |
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店員 |
すみませーん。ブレイカー落ちちゃったみたいです。ちょっと待っててね〜 |
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店内ブーイングの嵐。暗闇の中じゅーじゅーもんじゃの焼ける音が各テーブルから聞こえる。 |
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Ray |
フレイザー、おまえまさかのためになんか持ってそうじゃないか。 |
Fraser |
停電のためにかい。ああ。.フレイザー何故かローソクを持っている。ポケットから何本か取り出す。 |
Ray |
相変わらず用意のいいやつだなぁ。 |
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店内、ローソクの火が灯りなにやら怪しい雰囲気。いたるところからじゅーじゅー聞こえてなお怪しい。 |
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二人、食べ終わり、清算のレジへ。するとレジも壊れていた。店を出ようとすると自動ドアも壊れていた。 |
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Ray |
俺が今まで食べた中で一番しょーもない店だったよ。 |
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フレイザー振り返って店の看板を見上げる。 |
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Fraser |
日本料理 ムスタフィ さん…・・ |