Bird in the Hand 「黒幕はだれだ」第27話 (Teleplay By:Paul Haggis)

 このエピの見所はずばり 「ちゃっかりレイの寝床を乗っ取るディーフ」でしょう。(笑) ディーフィー抜け目がありません。
では、ディーフは置いといて・・フレイザーが自分の感情と正義の間に挟まれてすっごく悩み、自己と闘っている姿が・・・美しいです。
レイのフレイザーを思いやる姿もいいわ〜。そしてフレイザー親子の腹を割った会話・・・ううう泣けます。

Episode Guide

フレイザーの父を殺害した憎き犯人、ジェラードが脱走した。服役中の彼は減刑目的で武器密輸事件の情報提供を申し出、証言のためトロントからシカゴに護送されてくる途中だったのだ。ジェラードの居所をつきとめるためにFBI捜査官とATFエージェントがフレイザーに協力を求める。フレイザーとレイは武器密輸事件の大陪審に関係あるナッシュを訪ねジェラードを探し当てるがその途中で何者かに命を狙われる。不審に思ったフレイザーはナッシュを再び訪ね、実は密輸事件の裏にATFがからんでいることを知る。 フレイザーはジェラードの身柄を守るためにかくまうが、黒幕であるATFマクファーデンについに見つかってしまう。マクファーデンはジェラードを殺害しようと試みる。フレイザーは騎馬警官の名誉にかけて命がけでジェラードを守ろうとする。   
 
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このエピの題名"Bird in the hand" は 古い格言、「A bird in the hand is worth two in the bush.」から来ているようです。
フレイザーがジェラードを餌にATFら黒幕の犯人をしとめた・・・ということでしょうか。
(W&Eサイトより) 

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Character Sketch

ディーフェンベーカー
*僕も紹介して〜と主張する 
*「喉を掻き切っていいぞ!」とフレイザーに命令される  なんかうれしそうなんですけど・・・ディーフってば
*ちゃっかりレイの布団を乗っ取る
*ちゃっかり安全な場所を確保する 銃撃戦でのシーン、ディーフ箱の下に隠れます。

☆フレイザー
*復讐したい気持ちを必死で抑える     殺された当人のパパまでフレイザーをけしかけるし・・・・。
*ターンブル巡査の不思議な発言に困惑する      フレイザーも変わった人ですがそれ以上に変わった騎馬警官に???の表情。
ブーツでジェラードを押さえつける           こえーよ。フレイザー。ぶるぶる。フレイザー、実はレイ以上に怒らしたら怖い人かも。
*ナイフ投げ?がすごい               銃口に突き刺さってしまうシーンは わお!でした。

☆レイ
テープで何でも録音する主義になった・・・ それにしても機械を雑に扱うわ(笑) 叩き過ぎて赤いボタンが吹っ飛んでいるんですけど(爆)
*フレイザーの復讐に手を貸そうと思いやる   
あ〜またしても熱い友情。こんなときレイはやっぱり「ベニー」と呼ぶんです。
*紙に言葉を書いてフレイザーに貼るのが好きらしい  
 「僕はバカです」ペーパーを用意しているし(笑)

Quote

 気になるシーンの引用です。     (今回は5つ)

Robert: If you loved me son, you'd strangle him for me.
Fraser: No. If I really loved you I would've -- forget it.

結局、何を言おうとしていたのでしょうか?フレイザーわ・・・
こちらフレイザーとパパとの倉庫の会話に関係しています。
フレイザーはパパにどうして最後に会ったとき「何があったの?」と聞かなかったことを後悔していますよね。
よって、Jさんの推測では"...I would have made you tell me what was wrong, or at least asked you about it." ではないかとのこと。
そして、言いかけてやめてしまったのは、男たるもの感情を口に出さないほうがいいかと思ったからではないからだとか。



カナダ領事館:ジェラードを捕まえた後のフレイザーパパとの会話

R  わしを愛しているなら奴を絞め殺せ。」
F   「
いやだ。」
   「本当に父さんを愛していたら・・・・。」

パパ・・ひどい。息子が必死に絶えているのにけしかけて・・・・。
何事かと不思議そうに見ているディーフがかわいかったです。

この後レイがやってきて「大丈夫か?」と声をかけます。さすがレイ、親友の異変をすぐキャッチ


Fraser: Well if Nash wanted him dead, why would he have sent us there?
Ray: Well maybe he wanted to kill us too.
Fraser: What possible motive could he possibly have had.
Ray: You know sometimes you are the most annoying man I know. There's plenty of times I want to kill you and I'm your best friend.
Fraser: Now Ray, that's just not true.

ここ and をどう解釈していいかわからなかったのですが、親友でさえ殺したいと思っているんだから他の奴なら尚更だ・・・でいいんでしょうか???。
レイから best friendって言葉が出るとうれしい〜♪


シカゴ27分署の廊下 再びナッシュのところへ聞き込みに向かう途中

F  「ジェラードを行かせたいのならなんで僕らを行かせた?」
R  「俺たちも消したかったんだろ。」
F  「そうまでする動機はなんだい?」
B  「お前にはほんとイライラさせられるぜ。何度殺したいと思ったかわからねーよ。」
F  「いいや (汗) それは嘘だよ。」

My解釈: 
R 「お前はときたま俺の知っている中で一番いらつく奴だ。殺したいと思ったことが何度もあるよ。best friendだけどな。」

F 「それは全く本心じゃないだろ。」

フレイザー、レイの冗談をマジにとってちょっと泣きそうな顔になります。
レイにそんなに嫌われるのがいやなのねーフレイザーわ。





Gerrard: You are just like your father. You put duty before everything else.

Fraser:I'm really not in the mood to talk.

こんなときでもフレイザーpoliteです。shut up!なんて言わないんです。



倉庫:ジェラードに話しかけられてナイフを投げるフレイザー

G 「親父さんとそっくりだな。何より義務を優先する。」
ナイフをブイーンと投げる
F「話をしたい気分じゃないと言ったろ。」

ひゅー(>_<) 
怖いよ〜。フレイザー。小山さんの声が凄みありすぎ!特に「ろ」の部分が! フレイザーのめいっぱい怒りをこらえている表情にゾクゾク。
ポール迫真の演技です。


Fraser: Do you know how many times I wondered why I didn't? Do you know how many times I thought if I'd just done that -- that one thing, maybe you'd still be here.

このhow many の連発でフレイザーのずっと苦しんでいたというのが強調されますよね・・・よよよ・・・(泣いているらしい→私)

***

Fraser: You know you were so afraid to open up. It's as though you chose to be killed rather than expose your feelings.
Robert: That's ridiculous.
Fraser: It's more or less what happened isn't it? The thing is, I'm no better. I never loved anyone as much as I love you.

フレイザーの告白の部分、やたら付加疑問文が多いですよね。これって自分にずっと問いかけ続けていたっということかしらん・・・今回思い切って打ち明けたことによって荷が降りたでしょうね。これでパパの死の責任を感じていたことから彼は解放されたような気がします。





フレイザー親子の会話

F 「あのときどうしたのと何故聞かなかったのかずっと後悔している。
もしあのときそう聞いていれば・・・今も生きていたかも・・・」

フレイザーがそんなに悩んでいたなんて知りませんでした。彼の隠れていたダークな部分がクローズアップ・・・泣けます。

***


F 「そんなに自分を曝け出すのが怖いの。そうするぐらいだったら殺されたほうがマシだって…」
R 「何をばか言っている。」
F 「でも事実そうだって・・・お互い意地の張り合いでこの世で一番好きな人を無くした。」

自分を曝け出さないのはフレイザーも同じですよね。レイに「RWOB懲りない」のエピでそう言われていました。

この部分、小山さんがフレイザーの心のうちを絶妙に話していらっしゃいます。ほんとよく伝わってきます・・・






Ray: So how's your leg?
Fraser: Fine.
Ray:Is that the same leg they shot you in the last time?
Fraser: Yes.
Ray: Same leg they stabbed you in.
Fraser: Yes Ray.
Ray:Your country give you a medal for getting wounded like that?
Fraser: No, not that I'm aware of.
Ray:Then I think you should have this.
Fraser: Please shoot other leg. Well that's just not amusing Ray. 

ちゃんとフレイザーらしくPleaseがついた紙・・・

フレイザーが足を撃たれたっていつでしょうか?エピには出てきませんよね。シカゴに来る前?でもそれだったら 「Letting go裏窓」で詮索好きな医学療養士ジルが気がついているはず・・・・うーん謎。

ラスト 松葉杖をついているフレイザーとレイの会話

R 「足の具合はどうだ?」
F  「ああいいよ。」
R 「この前撃たれたのと同じほうの足か?」
F  「そう。」

R 「刺されたのも同じほうか?」
F  「ああそうだ。」

R 「カナダでも名誉の負傷したら賞なんかもらえるのか?」
F  「どうかな?僕は知らない。」
R 「もらう価値あると思うぜ。」 
My 解釈「 それじゃあお前、これつけるべきだ。」
F  「"次は別の足を撃って"・・・しゃれにもならないと思うよ。」


「この紙をお前は胸につけるべきだ」といってペタンと紙をフレイザーの胸に貼ります。その紙に書いてあるのが「別の足を撃って・・・」なんですよね。原語で聞くと紙を貼っている音が聞こえます。レイったらわざわざそんな紙を用意して持ってきたとは!これってよく小学生が好きな女の子をからかうのと同じですよね〜(^.^)


Trivia

レイはなんで何でも録音する主義になったの?,
その前のエピ 「The Witness 目撃者の証言」 で証人が証言を翻したのに懲りてしまったみたいです。

ウェバリーホテルのロケ場所
このホテルはトロントに本当にあります。パイロットで登場したバーのすぐ近くにありました。この地域はトロントにしてはゴミが散らかってちょっとヒト気もなく寂れていました。ホテルから出てきた人もガラが悪い〜汚い感じのホテルです(笑)。

ターンブル巡査
楽しいよ〜ターンブル! 花瓶が手にはまってしまうし、簡単なことを複雑に言い換えてわけわからなくする言い回しがおかしい。
俳優さん用スクリプトに(Renfield Turnbull)フルネームが載っています。 ハッジスが考えたよりカナダ人をステレオタイプ化したキャラです。
この俳優さん、シーズン1「親切心があだになり。」で犯人の一味を演じました。その演技力を買われ今シーズンよりターンブルになって登場です。

ターンブル巡査の歌っていた歌は?
"Oh Canada" カナダの国歌です。

ナッシュはPilot 「国境を越えて」のエピに出演していた
ひげのおじさんナッシュ役の俳優さん、このエピではなかなか渋いです。しかし、Pilotでは 奥さんから買い物を頼まれまくっている情けない、ヘリコプターおじちゃんを演じています。

ATFってどういう人?
 ATF(ビューロ オブ アルコール、タバコ、ファイアアームス 連邦アルコール、煙草、火器取締局)は財務省に属し、暴力犯罪の阻止、火器に関わる税金の徴収、公共の安全などを主な業務とし、アルコール、タバコ、火器、爆発物、放火に関する連邦法の執行を他の機関と協力して行っています。
(アメリカの警察組織って、複雑だわ〜)

      

勝手な感想

ハッジス、フレイザーにまたしても試練を与えるエピを作成してくれました。
【自分の父親を殺した相手を命をかけて守る】 拷問だわ〜。(Fraser torture episode?)  フレイザーが己の心を必死に抑えているのに、お父ちゃんまでジェラードを殺せとけしかけるし、レイも復讐のためのお膳立てまでしてくれる。 でも彼は正義を貫くんです。かっこいいよぉ〜。

それにしても今回のフレイザーは怖かったですね。ブーツで彼の胸をどついたシーンはまるでやくざです。何か見てはいけないものを見てしまったような気がしました。シーズン2は彼の意外な一面を見せること、そして内面を描くのがテーマでしたがそんな一面が覗けました。

フレイザーとパパはほんとに誠実なところがそっくりです。パパって生きているときは厳粛だったようですね。but 幽霊になってから結構ボケキャラを演じています・・・。今回も銃撃戦の最中に背が低いと言われたことにずっとこだわっていました(笑)

最後のシーン、フレイザーが思いっきり感情をぶつけてジャラードの乗る車の扉を閉めていたのが印象的でした。これが本当にパパの事件が解決した瞬間ではないでしょうか。


レイについては、警官としてのポリシーを感じるセリフがありました。「捕まえたものを保釈するのに慣れていない・・・」 。笑ったのがレイが「タイヤ交換手伝っていた」・・・とフレイザーに言ったらフレイザーが「君が人の手伝いを?」とマジにすごく不思議がっていたシーン。フレイザーひどいよ・・・、レイはいい人なのに・・・。
思うにレイとフレイザーって父親との接し方がなんとなく共通していますよね。恐れていて話ができなかったというところ・・・・二人が意気が合ってしまうのもこんなところからかもしれません。

レイのドーナツの食べ方・・・Seikoさんのレポートに楽しい感想が載っています。

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